競馬ファッションに革命を:miu miu 2020クルーズコレクション

ミウッチャ・プラダが、競馬場のファッションの保守的なイメージを打ち破る。
競馬場のファッションは、なぜこんなにも時代遅れなのか? 英国でもっとも保守的なファッションを見たければ、アスコット競馬場に行けばいい。ハット、花柄、ツイード、実用的なパンプス…。思わずあくびが出そうだ。もちろん、これは会場のドレスコードのせいでもある。女性は帽子必須で、ストラップレスのドレス、ショートパンツ、へそ出しは禁止。映画『マイ・フェア・レディ』の社交界のルールと同じくらい時代遅れだ。

ミウッチャ・プラダがMiu Miu 2020年クルーズコレクションのアイデアとして競馬観戦を選んだとき、彼女はその従来のイメージを覆すことを決めた。会場は、1873年に開場したパリのオートゥイユ競馬場。今回のコレクションは、ハイウエストのショートパンツ、襟ぐりが大きく開いた巨大なチェルシーカラーのティードレス、袖をロールアップしたボーイズライクなブレザー、馬の目を眩ませそうなクリスタルが散りばめられたカーディガンなど、ロイヤル・エンクロージャー(アスコット競馬場の特別観戦エリア)への入場を断られそうなアイテムが満載だった。

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「私が今懸念しているのは、保守主義です」とミウッチャはショーの後に説明した。確かに、Pradaを率いる彼女は、以前もヨーロッパに広がりつつある右派勢力への不安を口にしていた。それでも彼女は、特にPradaの生意気な妹的存在であるMiu Miuに関しては、あまりシリアスになりすぎないようにしたい、と語る。

「Miu Miuには私の子どもっぽい部分が表れています。みんなコンセプトとかアイデアとか長ったらしい講釈にはうんざりしてるはず。私はふたつの人生を生きています。ひとつはとてもシリアスな人生で、もうひとつはファッションの世界における、もっとライトな人生。ファッションに関しては、あまりシリアスになりすぎないほうがいい」

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Miu Miuの魅力のひとつは、その純朴さだ。さまざまな要素を混ぜ合わせ、調和させるスタイルには、明らかに英国的なところがある。ボーイッシュで、異なる時代のレイヤー(大胆にアレンジされた1940年代のティードレス、1970年代のスエードやニットなど)を重ね、そして何といってもデコラティブ。それとは対照的に、Pradaはもっと成熟していて、ハードコアで、禁欲的ですらある。

Miu Miuは遊び心に溢れ、少し行儀が悪く、間違いなくユーモアのセンスがある。ミウッチャが手がけたロイヤルアスコット風のハットは、巨大なクローシュ、つば広の日よけ帽、サテンのベイカーボーイハット、ツイードのベースボールキャップなど、多様なスタイルをマッシュアップしていた。

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